娘のイスラーム学習会に参加してわかったこと

2020年8月28日

今日は娘プーちゃんのイスラーム学習会に同行した。行ってよかった。

プーちゃん、今月の19日からイスラーム学習会に参加している。イスラーム学習会は聖典コーランの理解を深めるために行われていて、こちらではだいたい幼稚園入園くらいからはじめる。

アラビア語の1文字1文字を読めるようになるところからはじめて、小学3-4年生にもなればコーランが読めるようになる。すっごく分厚いコーランを一通り読んで学習会は卒業。ただし、コーランの内容の理解を深め、自分自身の生活に落とし込んでコーランの教えを実践する道のりは一生涯つづく。

イスラーム学習会は寺小屋のように有志のご家庭で行われることが多い。たいてい夕方か夜に行われる。プーちゃんはちょうど私が姑の介護にいく夕方に、親戚の同じくらいの年齢の子と3人で通っている。

だけど、姑のいる長兄宅の近くの学習会へ通っているためか、3人以外に知っている子がいない。そのせいでずっと緊張状態が続いていたみたい。ここ数日、行く前になると泣くようになった。ポロポロポロポロ泣いている。それで、パパに泣くなと怒られ、さらに泣く毎日。

今日はプーちゃんから「一緒に行って」と頼まれた。かつて毎日一緒に幼稚園へついていき後ろからそっと見守っていたように、イスラーム学習会も一緒に行ってほしいそうな。

うん、わかった。

プーちゃんが半分泣きながら一生懸命に自分の気持ちを訴えていることが伝わってきて、たとえ誰かに「甘やかしてる」と言われても、これは無視しちゃいかんと思った。

(イスラム教の男性用の帽子をかぶって遊ぶプーちゃん)

プーちゃんの通っているイスラーム学習会を主宰している方は、日用雑貨店を営んでいる。商品を陳列している裏側に少しスペースがあり、そこに小さな子供たちが集まっていた。

私は店の入口で30分弱ほど本を読みながら娘を待った。

その間、子どもたちにも送り迎えをする親たちにもめちゃくちゃ見られた。パッと見で「この辺の人じゃない」ってわかるからね。私のことを知ってる人は「あれー、プーちゃんもここでイスラーム学習してるの?」なんて声をかけてくれるんだけどさ。

ああ、これかぁ、娘が行きたくないのは!

私にはすぐわかった。なぜなら、私もこのような視線を道行く先々で浴びているから。はっきり言って、いい気はしないもん。

私はもう慣れたし、自分で「ハーイ😊」って手を振って愛想ふりまける。まぁ性格的に初対面の人でも平気なところはあるが、私も意識して愛想よくしている。最初に「この人、大丈夫そう」と警戒心を解いてもらうことが大事だからさ。あの人大丈夫かなって思ってるのはお互い様だから、こちらから打破するんだよ。

だけどさ、プーちゃんはそんなことはまだわからない。

私は明らかに自分で選んで異国のこの地に来たけど、プーちゃんは生まれたときからここにいる。みんなと同じようにしてるのに、なんでじろじろ見られるのか、わからないよね。

別にみな娘に対して敵意を表してるわけではない。むしろ好意的にみてくれている。だけど、「何この子?」という表情でみる子もいる。その子も悪いわけでなくて自然な反応なんだけど、これだけ視線が注がれるとやっぱりプーちゃんはたじろぐよね。で、プーちゃんも自然と涙がこぼれる。

ただ、どれだけジロジロ見られているか/それが心に引っかかるかっていうのが、ここにいるほかの人には理解できない。だから娘は「泣かないの」ってたしなめられる。

でもさ、アンタ一人で日本へ行ってごらんよ。めっちゃ見られるから。反論する余地を与えられずにジロジロ見られて、なんならヒソヒソ話もされて、プーちゃんの気持ちがわかるはず。

…と感情をぶつけたいけど、そんなぶつかり合いっこは不毛だ。

それより、今プーちゃんの気持ちがわからないなら、わかるように伝えればいい。

私がプーちゃんの気持ちを代弁して、しっかりプーちゃんを守るほうが大事。そして、自分で自分を守り、かつ友好の輪を広げていく方法をプーちゃんに背中でみせていくことが大事。

今、娘の気持ちがわかるのは私だけ。

うん、プーちゃん。ママは今日、一緒についていったおかげで、プーちゃんがいかに針のむしろにいるような気持ちになっていることか、よくわかったよ。

これまでわからなくてごめんね。

ママはこれから、まず、パパや「泣かないの」という人たちに「私もイスラーム学習会にいったんだけど、めっちゃ見られたよ!」「これだけ見られたら緊張するわ、そりゃ。プーちゃんは泣いて当たり前~、むしろ毎日よく通ってるな~って感心したよ」と伝えるね。

それから、近所のおばちゃんたちとか、道ですれ違うだけなのに「プーちゃん、泣いてる~」と囃し立てるのはもちろん、好意でも「泣いちゃダメ」と言ってくる人にも、ママは今日から伝えていける。

「あぁ、プーちゃんはプレッシャーに耐えて通ってるんですよ。頑張ってるね、すごいねって褒めてあげてください。そしたら泣き止むし、喜びますから」って。

何よりプーちゃんにも毎日「よく頑張ってるね」と抱きしめてあげられる。

ほんとに仕事の手を止めて同行してよかった。

寝る前に、プーちゃんが「今日は泣かなかったよ」と報告してくれた。

「プーちゃん、今日はよく頑張ってたね! ママはプーちゃんを誇りに思うよ。」

ぎゅっとハグした。

プーちゃんは「ハッピー」とはにかんで、コトンと眠りについた。