唐突に紙と筆を渡されたら、何をかく?

近所の小学生の女の子、イジャとニアの2人が我が家の前を通ったとき、私は玄関前のテラスで姑の歩く様子を見守っていた。

「プーちゃーーーん」

私の横で動画をみていた娘・プーちゃん(以下、プーちゃん)に声がかかる。娘が二人の声に反応しなかったので、私が応えた。

「イジャー、ニアー、どこ行ってたの?」
「うん、ちょっとねー」

そのまま通り過ぎるのが普通なのだが、彼女たちは我が家の敷地に入ってきた。

お、入ってきた!と内心驚きつつ、素知らぬふりをして「ブドウいっぱいあるよ、とっていきなよ」とブドウ棚を指さした。

プーちゃんもいれてみんなでブドウをとった。イジャとニアはテラスに座ってブドウの数を数え始めた。これは一寸寄り道どころか、完全に我が家で遊んでいく態勢だな。

イジャとニアのブドウは全部で40個あった。
2人で20個ずつわけた。

プーちゃんは自分一人でおいしそうなブドウをせっせと取っていた。
与えあいの精神は今日はどこかに置いてきたのだろう。

その後、ブドウを食べ、ネコを撫で、学校の話をするという長閑な昼下がりを過ごしていたら、プーちゃんがみんなで絵を描くと言い出した。

紙と筆と絵具を用意して。
絵画大会のはじまりはじまり~。
テーマはなんでも!

はじめに、ニアが家の絵を描き、イジャは自分の名前を書いた。

お互いの絵をみて、ニアは自分の名前を書き加え、イジャも家の絵を描き加えた。プーちゃんは二人のお姉ちゃんを見ながら家と唯一書ける文字ー自分の名前ーを書いた。

プーちゃんは毎日毎日絵を描いていて、描きたいものがどんどん出てくるのだが、お姉ちゃん二人はそうではない。

いったいどんな絵を描くのかな?
私は興味津々だった。

続いて、ニアは自分の名前の下にハートの形を描いた。
イジャは家の窓にあたる部分に「1」「2」と数字をいれた。

どんな絵になるんだろう。

ニアの絵、ハートの下のは何だろう?
椅子と机???
聞くと、お母さんの妹の名前、ANAだった。

何でお父さんやお母さんの名前じゃないんだろう?
そう思ったけど、黙っておいた。

ニアは弟が生まれたばかりだ。
弟の面倒をみるのに忙しいお父さんとお母さんより、叔母さんと心が近くなっているのかな。

…勝手に推測せずに真意を確かめることもできたが、今回はやめておく。

イジャもニアの真似をしてハートの形を描いていた。
その下には、弟の名前とお姉さんの産んだ子どもの名前がある。

ああ、そうか、窓に書いた「1」「2」は「1」「2」ではなくて、「I」と「Z」だ。イジャと弟の名前の頭文字。部屋が一つずつあるってことだな。

ニアとイジャの家は隣同士で、我が家から100mほど離れたところにある。
二軒とも昨年の地震で全壊し、新しい家がもうすぐできあがるところだ。

紙と筆を渡されて、咄嗟に書く(描く)のが自分と家族の名前と家。

花や海やネコを描くことだってできたし、さっき食べたブドウの絵でもよかった。

でも、家族、なんだ…!

こんなにさらっとハートの形と家族の名前が書けるんだね。
いい村に住んでいるなぁ、私。

雲行きが怪しくなって大雨が降る直前まで、彼女たちは我が家で遊んでいた。ありがとう。また今度も我が家へ寄ってってね。

(Midori Rahma Safitri)

※この記事は、noteに 2019年11月13日初出したものです(noteアカウント不調のため移動)

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