幼稚園での学習にタブレットではなく辞書を持っていって後悔したこと

幼稚園にタブレットを持っていかなくなって2週間がたった。

タブレットを持ち込まなくなったことで、当初の狙いどおり、娘の待ち時間をインドネシア語学習に集中的に使えるようになった。

それだけでも嬉しいが、もう一ついいことがあった。

幼稚園の子どもたちも保護者も、たくさん話しかけてくるようになったのだ。

タブレットを持っているときは、ごくまれに誰か(特に男の子たち)がタブレットを覗き込みにくるだけだった。

しかし、辞書とノートを広げるようになってから、みんなが「何してるの?」「何の本?」などと話しかけてくる。

そこから、「おばちゃんはね、インドネシア語の勉強をしているんだよ」「もうすぐ日本人向けのインドネシア語の試験があるんです」と会話が広がる。

ノートに園児が絵を描き始めることもある。
先日は、園児の弟のBくん(推定1歳半)が何やら書き残していった。

謎の絵だけど、ほほえましい。

だけど今日、一つ後悔したことがあった。

今日、私がふと視線を感じて顔をあげると、娘と同じクラスのHくんが私のほうをじっと見ていた。

Hくんはクラスの超がつく問題児だった。

何か気に入らないことがあるとすぐに手が出て、相手が誰でも男の子でも女の子でも髪をつかんだり突き倒したり、ときには石を投げたりするのだ。

聞くところによると、Hくんのお父さんは怒るとこんなふうになるらしい。Hくんも怒られて殴られることもあるそうだ。
Hくんは、怒りの表現の仕方はこれしか知らないのかも。

ほとんど毎日のように暴力をふるうHくんが私を見ている。

どうしたのかな、何が言いたいのかな?
彼の視線をたどると、私のノートを見ていることがわかった。

「Hくん、どうしたの?」

彼は何も答えなかったけれど、私の前にしゃがみこんだ。

「これはね、おばちゃんが勉強しているノートだよ」

何かいいことを言ったわけでもないのに、彼は目尻を下げ切った笑顔を向けた。

「おばちゃん、インドネシア語を勉強しているんだよ」

相変わらずHくんは何も言わなかったが、さらにこぼれんばかりの笑顔だった。スッと切れ長のきれいな目が見事に弧を描いている。

この子はこんな顔で笑うんだ…!

結局、Hくんは最後まで一言も発さなかった。
私は、今も彼がなぜ笑顔になったのかわからないままだ。
単に機嫌がよかっただけなのかもしれない。

辞書とノートのおかげでHくんの素敵な笑顔がみられた!

でも今日は…タブレットも持ってきていればよかったな。

君の垂れ下がった目を写真に残しておきたかったよ。

(Midori Rahma Safitri)

※この記事は、noteに 2019年11月11日初出したものです(noteアカウント不調のため移動)

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