娘の卒園式で先生方に謝られて返答につまった話ー定番フレーズについて

先日、プーちゃんの卒園式があった。
コロナの影響で例年のようにはいかず、集合写真を撮影したのみ。

今日はその後の話。

集合写真が終わり、解散となった。
私は一人ひとり先生方にお礼を伝えて帰ろうと思った。

「お世話になりました」と言いたかったけど、何と言っていいのかわからない。「先生、ありがとうございました」と伝え、ハグをした。

「いえいえ、こちらこそ。プーちゃん、小学校にいっても元気でね。たくさん勉強するんだよ」

こんな返事を想像していたところ、どの先生方も口々にこう言った。

「至らぬところが多かったと思います。ごめんなさい」

私は面食らった。
ごめんなさい?なんで?

数秒混乱したあと、すぐに気づいた。
あー。この「ごめんなさい」は、レバラン大祭でいうやつだ。

レバラン大祭はイスラム教徒の大きな祝祭日。その日になると、イスラム教徒たちはこぞって「これまでの過ちをお許しください(ごめんなさい)」と挨拶してまわる。

日本人が年賀状に「旧年中はお世話になりました」と書くのに似ていると私は思う。1年間一つのやりとりがなくともそうやって書くよね。レバラン大祭の「お許しください」も一種の挨拶だ(と私は感じている)。幼稚園の先生方のこの言葉もきっと挨拶的なフレーズなのだろう。

しかしだよ、しかし。
ごめんなさい、と言われたらなんて返せばいいのだろう。

「いいですよ」
「いえいえ…」

先生方を相手にどれもしっくりこない。

「とんでもございません」
「こちらこそ…ごめんなさい」???

いや、ごめんなさいより、気分的にはありがとうなんだけど。
この場面でお礼を伝えるのは文化的におかしいのだろうか?

なんといえばいいのかわからなくて、ありがとう…と口をモゴモゴさせて別れてしまった。

あーーー!不完全燃焼!
ここの「常識」がわからないー。誰かー教えてー。

次回以降、私は何といえばいいのだろう?

義姉たちに訊いてみた。
彼女らによると、どうやら「こちらこそ、ごめんなさい」がいいようだ。

「私ども(保護者と子ども)も至らぬところが多く、ご迷惑おかけいたしました。すみませんでした。」などと言うらしい。

空気読めない人間代表の私などは、別に迷惑かけてないしかけられてもないけどな、なんて思ってしまう(苦笑)。
なんでーなんで許しを請い合うのー。
お礼と伝え合えばいいやんかー。

いや、そういう話じゃないんだよ、みどり。
これは「インドネシア社会の常識・挨拶セット」なんだ。
丸ごと受け入れて覚えるんだ…。

それにしても、定番フレーズが出てこないのは困る。
こっちの人だったら息を吸って吐くように自然と言えるフレーズなのになぁ。

…と思ってハッとした。

ううん、違う。
私たち日本人も、子どもの頃は「本当にお世話になりました」なんて言わない。

「この度はご愁傷さまでございます」「ご指導ご鞭撻のほど、よろしくお願いいたします」などなど、大人になったら「常識」「定番」フレーズになるかもしれないけれど、その前にどこかで学習してるはず。

だからさ、私みたいに海外から来てる人間がわからなくったって大丈夫。

私も卒園式を迎えたのははじめてだし、先生方から「ごめんなさい」と頭を下げられたのもはじめてだ。返事の仕方がわからなくても「こんなこともわからないなんて~」と自分を情けなく思う必要はない。一つずつ覚えていけばいい。

体験して、学んで、使えるようになっていく。
少しずつ言葉が馴染み、その言葉のもつイメージが掴めるようになる。

もっともっとここの人たちのことを知りたくなって、話し合いを重ねる。

そうして、いつか「どうしてお礼じゃなくて許しを請い合うのだろう?」への答えにも辿り着くんじゃないかなぁ。定番フレーズの根本(心)がわかったら、きっと嬉しいだろうなぁ。それまで楽しみに、一つ一つ重ねていこう。

(みどり)

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