【クラファン応援!!】BAGUS DIVERSさんの船上げを見学したよ

2020年9月27日(日)

9月の頭にロンボク島在住の大先輩、ママハナさんから連絡があった。

「クラウド・ファンディングするから応援してください」

ママハナさんはご主人とともにダイビング・ツアーをメインとする旅行会社「BAGUS DIVERS」(バグース ダイバース)を経営している。今回は、事業で必須のボートを修理するためにクラウド・ファンディングに挑戦するとのことだった。

ママハナさんのご家族には家族ともどもお世話になっている。なので、答えは一択、はい、よろこんで♡



我が家も地震のあとに小さいながらも船をもった。そこではじめてわかったのだが、船の維持費はかなりのものだ。

コロナで様々な制限がはじまった3月半ば以来、我が家もほとんどお客様がいない。が、それでも週に一回、夫と船乗りのキャプテンとその兄弟が船底を磨いている。これがまたチョチョイのチョイと1時間ほどで終わる作業ではない。海に浸かりながら磨くこともあれば、浜まで船をあげて磨くこともあるが、いずれにしても日差しの強い日中をさけて夜に3-4時間かけて行う重労働だ。こんなにも手入れが必要だとは知らなかった。そりゃ維持費かかるわ~。

BAGUS DIVERS さんの船はうちのよりも二回り三回りと大きいので手間だけでも数倍かかる。そのうえ、ご自宅と船をおいている場所(湾)とが遠いために、船の手入れを湾周辺の村の人に任せないといけない。このねぇ、人に任せる難しさがねぇ、半端ではないのよ。ここにももちろん費用も手間も時間もかかるけど、これはケチってはいけない。うまく村人に任せられた場合の効果はプライスレスだからだ。人がすべてといっても過言ではないくらい、ロンボク島での仕事の良し悪しは人で決まる。



…とまあ、ちょっと話が寄り道したけど、今日はそのクラウドファンディングで集めたお金で行うダイビングボートの修理の、序盤の大仕事である「船の引き上げ」を見学させてもらうことになった。

ラウドファンディングの終了を待たずに船を引き上げることにした理由は、ママハナさんのブログでどうぞ~

私は船を作るところや修理しているところを見たことはあるのだが、引き上げ作業をみるのは初めてだ。なんでも50人くらいが集まって引き上げるらしい。これは一大作業だなぁ!



朝8時、期待と海で遊びたい娘・プーちゃんとともに、ママハナさんご夫婦の車で現場へ向かった。

到着すると、もう引き上げ作業が始まっていた。今日の潮の満ち欠けとだんだん日が強くなってくることを考えると、なるべく早いうちに作業を終えたいのだそうだ。

私たちも心なしか足を速めてボートの近くへ。

いかにも海の男だなぁという威勢のいい掛け声があちこちで上がっており、合図とともに全員でボートを引っ張るとゴヅッゴヅッと低い音がした。船底と浜とがぶつかる音だろう。


うわぁぁぁぁ、かっこいいなぁぁぁ。

はじめてのラグビー場で、選手たちがスクラムを組む際にボゴッと音がすることに「こんな骨と骨がぶつかるような音、聞いたことないわ!」と興奮したことを思い出した。

「1、2、3!」「ゴヅッ!」

「1、2、3!」「ゴヅッ!」

このペースで2-3回引っ張ると男たちは綱から手を離し、ブルブルッと手を振った。素手で綱を引っ張っているが、手が痛いらしい。


男性たちは必死にボートを引っ張っているが、どうもスムーズに曳けていないようだ。

ボートの底の枕木のようなもの(以下、枕木と記述)を増やすことにしたらしい。枕木に使えそうな枝を近くから探してきて、船底に差し込む作業がはじまった。


が、これもまたかなりの重労働だ。なんといっても、ボートを持ち上げないと底に枕木など入れられない。どうするのかというと、下の写真のとおり、ボートの片側から大きく長い材木を差し込んでその材木の上に何人もの人が座って、てこの原理で船体を持ち上げ、もう片方の側から素早く枕木を差し込むのだ。

気を取り直してもう一度「1、2、3!」で思いっきり曳く。

一度曳いて50センチでも動いてくれれば気持ちいいが、5センチも動いていない。

こ、これ一体どれくらいの時間こうして引っ張らないといけないの???

休憩時に若者に聞くと、「ふつうは一時間くらいかな」と言った。「でも今日は船の大きさのわりに人が少ないからもうちょっと時間がかかると思うよ」

一時間もこんなことするの?

あなたも綱引きを一時間すると考えてみてほしい。ドえらい重労働だ。さらに、日が昇れば昇るほどすさまじい直射日光を浴びることになる。

男たちは曳いては休み、ひいては休み、ボートの相手をした。

暑いので、休んでいる間は小さく屈みこんでボートの影に入る。


いつのまにか、娘・プーちゃんは地元の子どもたちと友達になって遊んでいた。みんなで一緒に水を飲む。

私も子ども達に「お兄ちゃんやお父さんが船を引っ張ってるの?」と話しかけた。「うん」「どの人?」「あれ!」「かっこいいね!」子どもたちは黙って笑った。満足気な顔だ。子どもたちもあと10年すれば船曳を手伝うようになるだろうか。

子どもたちは父親にライフジャケットをつけてもらって、このあとワーッと海へと走った。プーちゃんも着替えを持ってきて大正解だったな。



海ではしゃぐ子どもたちと、休憩しながら「あまり遠くへ行くんじゃないぞ!」と声をかける父親たち。

「この人たちのうち、今仕事のある人はどれくらいなんだろうか」

おそらくはこの湾で観光客向けの仕事をしていた人たちーつまりほとんどの人たちーは仕事を失っているはずだ。

今日の引き上げ作業でいくらを手にするのかは定かではないが、家族でごはんを食べたり、バイクのガソリンを買ったり、子どもの学校に必要な費用を払ったりするのに幾ばくかの足しになるだろう。

クラウドファンディングで集めたお金のめぐる先が少しだけ見えた。



男たちはこのあとも数回ボートを引っ張ったが、思うような成果があがらなかった。日が高くなってきたので一旦作業を中断し、夕方5時に再開するそうだ。

午後から予定があったので、私たちはここで浜辺を後にすることにした。

新しい友達の家にまで遊びに行っていたプーちゃんを呼びに行く。

「バイバイ、またね!」「市場にくるときはうちへ寄ってね!」

空は見事な晴天で、今日の男衆は文句なしに皆かっこよかった。

(文・写真 Midori Rahma Safitri)




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